BL約款について簡単に解説します

BL約款とは?貿易実務
  • BL約款ってなに?
  • どんなことが書いてあるの?
  • 注意点を教えて!

BL約款を理解する事で、船会社(フォワーダー)-荷主間のトラブルを防ぐ事ができます。
貿易・国際物流の初心者には必ず知っておくべき内容になります。今回はBL約款について解説します。

※あくまで初心者用に約款の内容の解釈を嚙み砕いて解説してますので、
約款の詳細を更に詳しく確認したい場合は、各船社・フォワーダーに確認をお願いします。

BL約款とは

BLの表と裏に書いてある運送契約等の基本事項の事です。
昨今は、輸入者の場合、SURRENDER BLを手配する事も多いので、BL原本を見ない事も多いかと思いますが、BL原本の裏側には見えないくらい小さな字の英文の羅列がぎっしりと記載されております。

全てを解説するときりがないので、貿易実務上でよくあるトラブル事例と交えて解説します。

船の遅延について

特に昨今はコロナの影響等により船の遅延が慢性化しております。
それにより予定より1か月-2か月遅れる事なども決して少ないとは言えない状況となっております。

実際にフォワーダーで仕事をしていた際にあったケースで、当初の予定より、船の遅延で1か月程度遅れた際に、お客さんと以下のようなやり取りがありました。

お客さん
お客さん

~日までに納品しないと、納品先より遅れた分のペナルティを支払いしないといけない。あんたのところの船を使って遅れたんだから、ペナルティを持ってくれ!!

上記のような事を言われる事が過去何度かありました。

しかし約款にはBL上の積み地から揚げ地までの輸送を請け負う旨等の記載はありますが、
船会社の都合で、仮に1か月-2か月の遅延をしたからといっても、航海のルートや船積み日数に関しては、契約上では定められていません。

いくら遅れたからと言っても、船会社(フォワーダー)は免責ですので、上記の例のペナルティを船社やフォワーダーが支払う義務はありません。

また船の遅延による損害、いわゆる機会損失は海上貨物保険でも補償対象ではございません。
海上貨物保険は貨物に対する保険ですので、遅延による損害はカバーされないので注意が必要です。

貨物ダメージについて

海外から日本向けに輸入した際に、日本側でコンテナを開けると、貨物に水濡れのダメージがあり、損害が出た場合、海上保険に加入しておけば、補填ができますが、保険に入っていない場合は問題になります。

こちらも過去に海上保険に加入していないお客さんと以下のようなやり取りがありました。

お客さん
お客さん

おたくのサービス、コンテナを使ったから水濡れしたんだ。貨物の損害はそちらで補償してくれ!!

しかし、そういった場合も基本的には船会社(フォワーダー)が貨物の損害を補填してくれる事ないと思っていいでしょう。

BLの表によく以下のような文言が載っている場合があるかと思います。

SHIPPER’S LOAD& COUNT &SEAL SAID TO CONTAINN

これは簡単に言うと、
「SHIPPERの責任でコンテナ詰め、SEALを行っているので、コンテナの中身の状態や数については、
船社(フォワーダー)は一切責任を負いません」のようなニュアンスとなっております。

また船会社(フォワーダー)の過失が認められた場合、費用を請求できる場合はございますが、
責任限度額が決まっており、以下の金額のいずれかの高い方までとなっております。

  • 666.67SDR(コンテナ辺り)
  • 2SDR(総重量1KGにつき)

※SDRとは全世界の共通の通貨のようなものです。
2022年1月現在、1SDR=約154円です。

ですので仮に船社(フォワーダー)過失が認められた場合でも、
金額の上限がある為、全てが補償されるわけではございません。

※よほどの事がない限り、船社(フォワーダー)の過失が認められる事はないようです。
私も過去フォワーダー経験12年間の間で船会社の過失が認められたケースはありませんでした。

共同海損について

BL約款内には共同海損についての文言もあります。
共同海損とは船が航海中に海難事故や、嵐に巻き込まれて、乗組員が命の危険にさらされた時、船会社は安全確保の為に、コンテナを海に投げ捨てたり、座礁した際の救助船を要請する場合があります。

その時に、投げ捨てられた貨物が荷主自身の貨物でなくても、その船に乗っていた全荷主と船社で共同で発生した損害を負担しようという制度を、
共同海損(General Average)、頭文字をとってG.Aと呼ばれます。

お客さん
お客さん

船が座礁したり、コンテナが捨てられる事なんてほとんどないんじゃないの?

と思われる方もいるかと思いますが、私の経験則ですが、日本の発着貨物でも年1-2回は共同海損を宣言している感覚はあります。

特に最近大きかったのは2021年に起こったスエズ運河の座礁事故です。

座礁事故で発生した費用は数百億と言われております。実際どの程度荷主への負担が来るかは不明ですが、貨物保険に入っていれば保険会社が手続き、費用において処理ができますが、問題は無保険の場合です。

無保険の場合は船会社に供託金を支払う必要があり、それを支払いしないと自分たちの貨物を引き取れない等、非常に手間がかかります。

過去大規模な共同海損の際には供託金が500万程度に設定されたケースもあるようです。

まとめ

基本的には船会社(フォワーダー)を保護されている内容とはなっておりますので、
輸出入者はある程度の理解は必要になってきます。

特に貨物の損害関係は船会社(フォワーダー)が費用を負担するケースはほぼないので、
貨物保険に入っておくのが無難でしょう。

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